UNIDO東京事務所は、日本政府の協力を得て「日本からの技術移転を通じたアフリカ・アジアの産業職業訓練プログラム」を実施しています。このプロジェクトは、アフリカの現地エンジニアと技術者に日本企業の技術に関する知識とスキルを身につけてもらうことで持続可能な産業開発に貢献することを目的としています。プロジェクトの詳細はこちらのページからご覧ください。
2024年4月、モロッコの公的職業訓練機関OFPPT(Office de la Formation Professionnelle et de la Promotion du Travail)にて指導員を務める、環境エンジニアのMs. Lamiaa Illoulと、水力工学のエンジニアMr. Hicham Rajiを日本に招へいし、日之出産業が企画する排水処理技術の研修を実施しました。2名はモロッコに帰国後、日本で学んだ技術を移転する講師役となり、現地のエンジニアや職業訓練校の教員・生徒にむけて、計5都市にて研修を実施しました。近年、深刻な水不足が問題となっているモロッコでは、国を挙げて水資源のインフラ整備に取り組んでおり、排水処理技術に関する知識の需要も高く、本研修にも100名以上の参加希望が集まりました。職業訓練校の教員・生徒以外にも、民間企業、モロッコ国営電力水道公社(ONEE)、環境省、農業省、自治体職員らが研修に参加し、日本の排水処理技術についての知識が伝達されました。
職業訓練プログラム 講師
Ms. Lamiaa Illoul Environmental Engineer
Mr. Hicham Raji Hydraulic Engineer
研修スケジュール
第1回:2024年5月27日~31日(マラケシュ)
第2回:2024年10月14日~18日(ウジュダ)
第3回:2024年10月21日~25日(ベニメラル)
第4回:2024年11月25日~29日(タンジェ)
第5回:2024年12月16日~20日(ラバト)
研修内容
・モロッコ・日本における、水資源・排水処理の現状・問題点・政策
・水質汚濁・物質の構成比、汚染パラメーター
・直接排水および処理排水にまつわる規制の比較、排水の再利用
・モロッコ・日本における排水処理技術・プロセスについて
・日之出産業・微細気泡発生装置(HINODE Micro Bubbler / HMB)を用いた排水処理施設の紹介・訪問(マラケシュのみ)
職業訓練プログラム閉講式
2024年12月19日、5都市での研修を締めくくる、閉講式が行われました。ラバト以外の都市で研修に参加した訓練生はオンラインで式に参加しました。閉講式には、OFPPT関係者に加え、UNIDOモロッコ事務所所長 Ms. Sanae Lahlou、UNIDO東京事務所長 足立文緒、次長 フェルダ・ゲレゲン、プログラムアシスタント 細川千奈津が出席し、ラバトで研修を受けた訓練生に修了書が渡されました。UNIDO東京事務所は、新たな産業職業訓練プログラムをOFPPTと実施予定です。