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STePPアフリカ・アジア産業職業訓練プログラム:マダガスカルからの研修生、もみ殻固形燃料製造の技術を学ぶ

STePPアフリカ・アジア産業職業訓練プログラム:マダガスカルからの研修生、もみ殻固形燃料製造の技術を学ぶ

UNIDO東京事務所は、日本政府の協力を得て「日本からの技術移転を通じたアフリカ・アジアの産業職業訓練プログラム」を実施しています。このプロジェクトは、アフリカの現地エンジニアと技術者に日本企業の技術に関する知識とスキルを身につけてもらうことで持続可能な産業開発に貢献することを目的としています。プロジェクトの詳細はこちらのページからご覧ください。

この取り組みの一環として、202410月、マダガスカルから2名の研修生を招へいし、広島県尾道市因島に所在するトロムソ社にて、もみ殻固形燃料製造装置「グラインドミル」の技術を教える研修プログラムが実施されました。グラインドミルは、マダガスカルで通常廃棄されているもみ殻から固形燃料を製造することのできる装置です。スティック状(モミガライト)とチップ状(カールチップ)の2種類の固形燃料を製造することができ、それぞれ薪炭の代替品として使うことができます。

マダガスカルでは、家庭燃料として薪炭が使用されており、森林伐採が進行する原因となっており、このまま森林伐採が続くと、薪炭の値段が高騰することが懸念されています。これらの背景から、マダガスカルにおいて、もみ殻を有効活用しながら、より持続可能な燃料を製造できるグラインドミル技術の需要は高いと考えられています。

研修生

この研修に参加したのは、農業機械化研修センター(CFFAMMA)に勤める2名と、マダガスカル語―日本語技術通訳1名です。

Mr. Hosana Richardson Technical and Commercial Director, CFFAMMA

Mr. Rakotondravao Hasitiana Johary  Technical Collaborator of the General Director, CFFAMMA

Mr. Raveloson Edson Harinjato  Interpreter at Madagascar Service

研修スケジュール

2024107日(月)~11日(金)計5日間
スティック状とチップ状を製造する2種類のグラインドミル(TRM-120JPF/TRM-200CR)を使いながら、実技研修が行われました。

研修内容

TRM-120JPF/TRM-200CR機材検品
・機材試運転
・構造説明、部品の役割、取扱説明書の説明
・清掃、メンテナンス方法
・トラブルシューティング研修
・簡易水分計の使用方法
・モミガライト・カールチップ生産
・各パーツの組み立て

研修の初日には、UNIDO東京事務所の足立文緒所長とプログラム担当の細川千奈津がトロムソ社を訪問し、開講式が開催されました。研修最終日には、上杉社長より招へい生へ研修修了証が授与され、日本での研修が締めくくられました。

研修生の声

研修後2名は「グラインドミルの正しい運用・メンテナンスする方法を学ぶことができました。機材に投入するもみ殻に石やネジが混ざっていないか確認する必要があること、また、質の高い固形燃料を製造するためには、もみ殻の水分量を一定に保つことが大事だということも学びました。実際に水分量が異なるもみ殻を使って固形燃料を作成し、理想の水分量についても理解できました。」と振り返りました。

UNIDO東京事務所は、今後も農業機械化研修センターとの連携を強化し、もみ殻固形燃料製造技術の普及を支援していきます。2025年以降、UNIDO東京事務所から農業機械化研修センターに、2台のグラインドミルが譲渡される予定です。Mr. RichardsonとMr. Joharyは、実際に機材を使いながら、農業機械化研修センターの生徒と農業に携わる人々に、日本で学んだ技術を移転をしていく予定です。この継続的な取り組みにより、マダガスカルの産業人材育成が促進されるとともに、持続可能なエネルギー資源の活用を通じて現地の経済開発にも大きく寄与することが期待されます。