UNIDO東京事務所は2023年2月17日、日欧産業協力センターと共に、対面とオンラインのハイブリッド形式のイベント「SUSTAINABLE TECHNOLOGY DAY」を開催しました。本イベントでは、UNIDO東京事務所が運営する「サステナブル技術普及プラットフォーム(STePP)」に登録されている日本企業6社(以下、STePP企業)が、EU企業とのアフリカでの協働を目指し、自社のビジネスや技術に関するプレゼンテーションを行いました。当日、会場には約60名が来場し、オンラインでは世界各地から約100名が視聴しました。
日本とアフリカの間には地理的距離がありますが、日本企業とEU企業が協力することにより、アフリカで事業展開をするために欠かせないネットワークを構築できます。また、EU企業は日本企業がもつ革新的で持続可能な技術を活かし、アフリカでの事業を強化することができます。このイベントでは、日本とEUの企業間のネットワーク構築を通じて、アフリカの産業発展に貢献することを目的としています。
イベントではまず、EUパートナーと共にアフリカで活動する日本企業の成功事例として、SORA Technologyの梅田氏が、ドローンとAIを活用したアフリカにおけるマラリア対策プロジェクトについての講演を行いました。
続くプレゼンテーションのセッションでは、STePP企業6社それぞれがエネルギー、環境、アグリビジネスの分野における持続可能な技術を紹介しました。各企業のピッチの概要は以下のとおりです。
・AGC株式会社「エフクリーン® 農業ハウス用フッ素フィルム」STePPページリンク
エフクリーン®は、高い全光線透過率を誇り、多くの太陽光をハウス内に取り入れることで、安定した周年栽培を実現します。太陽エネルギーの熱や光を自在にコントロールし、あらゆる気象環境下での利用が可能です。
・メビオール株式会社「フィルム農法(アイメック®)」STePPページリンク
アイメック®は、ハイドロゲルでできた薄いフィルムの上で植物を育てる、フィルム農法です。水不足の地域や汚染された土壌といった農業に適さない土地でも、高品質の作物を育てることができます。
・株式会社バイオマスレジンホールディングス(本イベントでは、三井物産プラスチック株式会社が代理で登壇)
「食用に適さないお米を使った国産バイオマスプラスチック(ライスレジン®)」STePPページリンク
ライスレジン®は、お米(非食用)由来の国産バイオマスプラスチックです。食用に適さない古米、米菓メーカーなどで発生する破砕米など、飼料としても処理されず、廃棄されてしまうお米やその他の有機物を、新しいテクノロジーでプラスチックへとアップサイクルします。
・日本電気株式会社(NEC) 「パートナーとの共創を通じたビジネスによるアフリカでのSDGsへの貢献 」STePPページリンク
NEC HSS®は、NECが開発したハイブリッド蓄電システムです。本システムは、蓄電池・制御システム・太陽光パネル・ディーゼルジェネレーターを組み合わせ、最適な電力利用を可能にし、ディーゼル燃料、CO2排出量の削減に貢献します。
・株式会社TBM「石灰石を主原料とした革新的素材LIMEX ~サステナブル革命を日本から世界へ~」STePPページリンク
LIMEXは、石灰石などの無機物を50%以上含む、無機フィラー分散系の複合素材で、紙やプラスチックの代替としての利用が可能です。素材の販売のみならず、リサイクルも合わせて促進し、循環型経済の実現に貢献します。
・ヤマハ発動機株式会社「水が変われば、暮らしが変わる – ヤマハクリーンウォーターシステム」STePPページリンク
世界には、いまだ安全に管理された飲み水へのアクセスがない人が多く、その多くはアフリカにいます。日本品質の技術で、安心・安全な飲み水を届けることで、健康問題の改善や、ビジネス機会の創出にも貢献します。
その後、各企業のブースでは個別商談の時間が設けられたほか参加者と登壇した日本企業が交流する時間もありました。また、オンラインで参加したEU企業からの問い合わせもあり、STePP企業とのアフリカでの協業の可能性やビジネス展開について、今後話し合いの機会が設けられます。
イベントの参加者からは、「各社の革新的な技術に感銘を受けた」、「これまで知らなかった企業や技術を知ることができた」、「今後も同様のイベントを開催して欲しい」といったコメントが寄せられました。
以下よりイベントの録画を閲覧できます。
https://www.eu-japan.eu/events/sustainable-technology-day
概要
日 時: 2023年2月17日(金) 、日本企業によるピッチ:16:00-17:30、レセプション:17:30-19:00
形 式: ハイブリッド
- オンサイト参加 (駐日欧州連合代表部: 〒106-0047 東京都港区南麻布 4-6-28 ヨーロッパハウス)
もしくは
– オンライン参加 (Zoom)
会 場: 駐日欧州連合代表部、ヨーロッパハウス
住 所: 〒106-0047 東京都港区南麻布 4-6-28
主 催: 日欧産業協力センター、UNIDO東京事務所
言 語: 日本語・英語(同時通訳)
参加費: 無料
対 象: – 日本企業のサステナブルな技術に関心のあるEU企業、その日本/新興国(アフリカ、アセアン等)の支社
– EU企業とのビジネス連携に関心のある日本企業
プログラム
16:00 開会挨拶
UNIDO東京事務所 所長代理 フェルダ・ゲレゲン氏
一般財団法人日欧産業協力センター EEN Japan, GNSS Asia Space Japan チームリーダー ファブリツィオ・ムーラ氏
16:10 EUパートナーと共にアフリカで活動する日本企業の成功事例
「SORA Malaria Control 固定翼ドローンと AI を活用したアフリカにおけるマラリア対策 」
SORA Technology 株式会社 副社長 梅田 昌季氏
16:20 ピッチ・セッション:日本企業によるサステナブルな技術
・AGC 株式会社 経営企画本部 サステナビリティ推進部 マネージャー 鈴木 翔子氏
・メビオール株式会社 代表取締役 社長 吉岡 浩氏
・三井物産プラスチック株式会社 産業材料本部 バイオ樹脂ユニット マネージャー 増田 清氏
(株式会社バイオマスレジンホールディングス代理)
・日本電気株式会社 グローバル事業推進 統括部 佐伯 明莉氏
・株式会社 TBM LIMEX 事業本部 海外セールスリーダー 布村 仁夢氏
・ヤマハ発動機株式会社 海外市場開拓事業部 企画推進部 クリーンウォーターグループ 主事 本谷 龍一氏
17:10 Q&A
17:30 閉会挨拶
一般財団法人日欧産業協力センター プロジェクトマネージャー ルカ・エスコフィエ氏
個別ミーティング
17:40 – 18:00 ピッチ企業との個別ミーティング
レセプション
18:00 – 19:00 レセプションとネットワーキング
お問い合わせ先
UNIDO東京事務所 (担当:黒田、青木)
Emai: itpo.tokyo@unido.org