UNIDO東京事務所は、2023年5月18日、国際協力機構(JICA)と駐日タンザニア大使館と共催で「タンザニア投資セミナー」をオンラインで開催しました。パネリストらがタンザニアにおける投資状況や有望な投資分野などについて紹介し、197人が参加しました。
冒頭、駐日タンザニア大使館特命全権大使のバラカ・ルヴァンダ大使が挨拶し、同国政府が現在海外からの投資誘致に力を入れていることをアピールしました。在タンザニア日本国大使館特命全権大使の三澤康大使からも、「生活しやすく、ビジネス面での潜在性も非常に高い国。日系企業とタンザニア政府相互の信頼関係を醸成し、両国間の貿易投資拡大につなげていきたい」と挨拶がありました。
最初にタンザニアの投資政策について講演したのは、大統領府の投資局局長代理のファディ-ル・チルンバ氏。タンザニア投資センター(TIC)がワンストップの窓口として対応を強化するなど、海外からの投資がよりしやすくなるようにさまざまな政策の改革や法改正などを進めているほか、空港やオイルパイプラインの整備などのプロジェクトにも取り組んでいる現状を紹介しました。続いて、TIC総裁のジリード・テリ氏と、投資誘致部長のムナリ氏が、有望な投資分野として農業、漁業、繊維業、砂糖製品、革製品、木材製品、鉄鋼、製薬、医療設備、不動産、インフラ、観光などを挙げ、「平和で政治的に安定しており、人口増加とともに経済も成長している。タイムリーに投資家の皆さんがビジネスを開始できるようにサポートする」と日本企業に呼びかけました。
次に、タンザニアでビジネスを手がける民間企業2社が登壇しました。ドライフルーツなどの食品加工ビジネスを行う「 マトボルワ カンパニー リミテッド」代表取締役社長の長谷川竜生氏は、自社の干し芋の生産販売について、「タンザニアにはさつまいもが豊富で栽培にも適した気候」などとビジネスを始めた経緯を説明。工場の設立から約8年で日本への輸入販売(サイトはこちら)にこぎつけたことを紹介し、同国におけるビジネスの教訓として、「アフリカ仕様でなくていい」「競合商品のある分野を選ぶ」といった点を共有しました。
続いて、タンザニアに子会社を設立して自動車部品ビジネスに取り組むセントパーツ株式会社代表取締役の種谷謙一氏がタンザニアを選んだ理由として、「人口増加・経済成長」「アフリカ内陸部も視野に入れたビジネス構築が可能な立地」「国民性に起因する治安の良さ」「日本製品への親しみと信頼の高さ」の4つを挙げたほか、現地で日用品を販売する日本の「100円ショップ」のような店舗運営についても紹介しました。
その後、国際協力機構(JICA)タンザニア国産業開発・投資促進アドバイザー業務について、JICAアドバイザーの田中裕子氏より紹介があった後、パネリストと参加者の間で、現地における製品の差別化の方法や投資の苦労などに関する質疑応答も行われました。
セミナー概要
日時:2023年5月18日(木)15:00 – 16:30 (日本時間)
形式:オンライン(Zoom ウェビナー)
共催:UNIDO東京事務所、国際協力機構(JICA)、駐日タンザニア連合共和国大使館
参加費:無料
言語:日本語・英語(同時通訳)
プログラム
15:00 開会挨拶
UNIDO東京事務所 所長 足立 文緒 氏
15:05 歓迎挨拶
駐日タンザニア連合共和国大使館 特命全権大使 バラカ・ハラン・ルヴァンダ 大使
在タンザニア日本国大使館 特命全権大使 三澤 康 大使
15:15 タンザニア政府の外資誘致政策
大統領府 投資局 局長代理 ファディ―ル・チルンバ氏
15:30 タンザニアの投資機会
タンザニア投資センター(TIC)総裁 ジリード・テリ氏
15:45 タンザニアでの食品加工ビジネス
マトボルワ カンパニー リミテッド 代表取締役社長 長谷川 竜生 氏
15:55 タンザニア進出の背景と現在のビジネス概況
セントパーツ株式会社 代表取締役 種谷 謙一 氏
16:05 JICAタンザニア国産業開発・投資促進アドバイザー業務の紹介
株式会社アジア共同設計コンサルタント 上級コンサルタント 田中 裕子 氏
16:10 質疑応答
16:25 閉会挨拶
JICAタンザニア事務所 所長 荒 仁 氏
お問い合わせ先
UNIDO東京事務所 今津、堀口
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