イベントレポート：エジプト・スエズ運河経済特区投資セミナーを開催／日本企業の投資チャンスを探る

UNIDO東京事務所は2023年2月13日、駐日エジプト・アラブ共和国大使館商務部と中東協力センターと共に、「エジプト・スエズ運河経済特区（SCZone）投資セミナー」を開催しました。セミナーでは経済特区の投資インセンティブや対象分野が紹介されたほか、現地進出企業が自社の経験を共有するプレゼンテーションを行い、様々な分野で投資を検討する日本企業の参加者約70人が参加し交流しました。

冒頭で、UNIDO東京事務所のフェルダ・ゲレゲン所長代理、中東協力センターの田村満夫常務理事がそれぞれ挨拶を述べ、昨年12月に開催されたエジプト・ビジネス・ミッションにおいてSCZoneを訪問した際の感謝を述べました。また、駐日エジプト・アラブ共和国大使館の特命全権大使モハメド・アブバクル・サレー・ファッターフ閣下はエジプトの投資環境について説明するとともに、日本企業がスエズ運河経済特区に進出することを全面的にサポートすると強調しました。

プレゼンテーションのセッションでは、スエズ運河経済特区庁ワリード・ガマルエルディン会長が、中東やアフリカ、欧州、アジアを結ぶ海上の要衝として、スエズ運河には周辺の455平方キロメートルに4つの産業経済特区や6つの港湾があり、年間2万隻の貨物船が往来していると報告。その上で、経済特区における投資インセンティブや対象分野について紹介しました。

続いて、エジプトで事業を行う3社が登壇。サラヤ株式会社海外事業本部アフリカ開発室担当部長の瀧川功氏は、近年SCZoneに工場を設立した経緯や、エジプトの国土の大半を占める砂漠でホホバのプランテーションを通じた緑化プロジェクトについて紹介しました。豊田通商株式会社プラント・プロジェクト部長の小山徳治氏は、同社などが進めるスエズ運河東側の自動車専用ターミナルプロジェクトについて、「経済特区庁が私たちを単なる投資家ではなく、重要なパートナーとして対応くれたおかげで実現した」と述べました。また、株式会社酉島製作海外本部TGT中東地域の統括マネージャー岡田茂憲氏は、同社製品のポンプをエジプトの浄水場や製鉄所、発電所などに1000基以上供給したと説明し、「エジプト政府は日本製品に信頼を寄せており、日本企業がエジプトでビジネスを拡大するための鍵は高い品質と性能」と強調しました。

さらに、「日・エジプト経済のさらなる発展に向けて」をテーマに登壇した日本エジプト商工会会長の齋藤英典氏が「エジプト政府は雇用創出効果の高い製造業や、輸出産業、グリーン産業、水素製造などを成長させたいと考えており、日本企業にはそのチャンスを十分に活かしてほしい」と呼びかけ、「ぜひビジネスのみならず、まず遊びに訪れてエジプトの良さを知ってほしい」と締めくくりました。最後に、SCZoneのワリード・ガマルエルディン会長から日本企業に対するメッセージとして「エジプトでのビジネスチャンスを逃さないようにして欲しい、」と閉会の辞を述べました。

パネリストたちはイベント終了後の交流会で参加者らと活発に交流しました。

概要

日　時：　2023年2月13日（月）
会　場：　国連大学本部ビル　1階アネックスホール
住　所：　東京都渋谷区神宮前5-53-70
主　催：　駐日エジプト・アラブ共和国大使館商務局、UNIDO東京事務所、中東協力センター
後　援：　海外投融資情報財団
参加費：無料
言　語：日本語・英語（同時通訳）

プログラム

14:30-15:00	受付
開会
15:00 – 15:10	開会挨拶 UNIDO東京事務所　所長代理　フェルダ・ゲレゲン一般財団法人中東協力センター　常務理事　田村満夫
15:10 – 15:25	エジプト投資環境駐日エジプト・アラブ共和国大使館特命全権大使　モハメド・アブバクル・サレー・ファッターフ閣下
プレゼンテーション
15:25 – 15:55	日本企業のためのスエズ運河経済特区投資機会スエズ運河経済特区庁　会長　ワリード・ガマルエルディン
15:55 – 16:10	エジプトにおけるサラヤのビジネスサラヤ株式会社　海外事業本部　アフリカ開発室　担当部長　瀧川功
16:10 – 16:25	東ポートサイードにおける自動車専用ターミナルプロジェクト豊田通商株式会社　プラント・プロジェクト部　部長　小山徳治
16:25 – 16:40	エジプトにおける酉島の事業について株式会社酉島製作所　海外本部　TGT中東地域　統括マネージャー　岡田　茂憲
16:40 – 16:50	日・エジプト経済のさらなる発展に向けて日本エジプト商工会会長　齋藤　英典
質疑応答・閉会
16:50 – 17:00	質疑応答・閉会
ネットワーキング
17:00 – 18:00	ネットワーキング・名刺交換