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イベントレポート:オンラインセミナー「アルジェリア ビジネス・経済セミナー:コロナ禍の挑戦とチャンス」を開催

イベントレポート:オンラインセミナー「アルジェリア ビジネス・経済セミナー:コロナ禍の挑戦とチャンス」を開催

UNIDO東京事務所は2021928日(火)に、アルジェリア投資促進庁(ANDI)と共催で「アルジェリア ビジネス・経済セミナー:コロナ禍の挑戦とチャンス」と題したオンラインセミナーを開催しました。

※一部登壇者の登壇資料は以下(登壇資料)をクリックしてください

 

本セミナーでは、安永裕幸UNIDO東京事務所長の開会挨拶に続き、河野章駐アルジェリア大使、モハメド・エル・アミン・ベンシェリフ駐日アルジェリア大使が歓迎挨拶を述べ、現在経済改革が実施されているアルジェリアの潜在的な市場の魅力について紹介しました。

河野大使は、今年アルジェリア政府が発表した経済再生計画及び政府行動計画はアルジェリアにおけるビジネスの可能性を探る上で重要である点を強調しました。その上で、本セミナーを通じて日本企業がアルジェリアの新体制について理解を深め、新たなビジネスの可能性に繋げて欲しいと期待を述べました。また、日本大使館は今後も引き続き、アルジェリアの政治・経済・コロナ関連情報の提供に努めるとともに、日本企業との面談等を通じて二国間ビジネス関係の活性化に向けた支援を続けていくと述べました。

UNIDO東京事務所の在アルジェリアアドバイザーであるリーズ・ケラールのモデレートによるパネルディスカッションでは、アルジェリアのビジネス環境や、アルジェリアにおける日本企業のビジネス・投資促進への可能性について議論が交わされました。
初めに、アルジェリア投資促進庁(ANDI)のサフィア・クイラ氏(登壇資料)は、海外直接投資に関する現在の緩和措置について触れ、炭化水素以外のすべての産業に適応される産業横断的な性格を持つ点や制度の透明性など、その特徴について紹介しました。また、より多くの企業がアルジェリアに進出できるよう、投資家に向けた情報提供やオリエンテーションの実施、現地でのサポートなど様々な支援を提供したいと述べました。

アルジェリア国営電力・ガス会社であるSonelgazのタハール・ジュアンビ氏は、同社は今後送電事業に注力したいと述べ、送電ネットワークにおけるパートナーが必要であると強調しました。また、今後他のアフリカ諸国への市場拡大を目指す太陽光発電事業も投資機会の一つとなりうると述べ、ソーラーパネルの生産などへの海外投資家や企業からの事業参画に期待を寄せました。さらに、日本企業に対する期待として、発電所及び高圧電設備の建設や配電に関するパートナーシップの構築を挙げられました。

JETROパリ事務所のピエリック・グルニエ氏は、近年におけるアルジェリアの変化及びビジネス環境の主な特徴として、電子機器関連のパートナーシップの発展、様々なレベルでの産業の多角化、産業の多角化に伴う製造業の発展及び電力需要の増大、節電設備の需要の増大、海外の大資本のアルジェリア進出などを挙げ、アルジェリアは炭化水素産業以外にも市場の魅力を有する点を強調しました。

JICAチュニジア事務所の上野修平氏は、「産業の多角化」及び「社会の安定化」の2つの重点分野においてこれまでJICAがアルジェリアに対して実施した様々な協力事業を紹介しました。また、このような協力事業を通じて築いた日本とアルジェリアの深い関係を土台として、今後ビジネスや投資が実施されていくであろうと期待を述べました。

最後に、BOMARE COMPANY SARLのアリ・ブーメディエン氏は、日本企業との技術的なパートナーシップの締結や第7回アフリカ開発会議(TICAD7)への参加など同社のこれまでの歩みを振り返り、次のステップとしてジョイントベンチャーを考えていると述べました。アフリカ市場は、「3.5兆ドルの市場」と言われるほど高い潜在力を有します。また、アルジェリアは、EU及びアフリカ大陸とそれぞれ自由貿易協定を結んでおり、それらの市場の拠点となる場所です。ブーメディエン氏は、このようなメリットをぜひ日本と共有したいと述べました。さらに、日本の企業及び各機関に対する期待として、アフリカで働ける人材の育成及び日本企業からアルジェリアへの投資を挙げました。

質疑応答では、アルジェリアにおけるスタートアップの支援について質問がありました。現在アルジェリアでは、無償資金援助や貸付といった公的な資金援助を中心に、スタートアップ立ち上げのための様々な措置が実施されています。また、民間の投資家からスタートアップ企業に対する投資も行われてる一方、技術・インフラ・エコシステム等については日本企業からの支援も期待されています。

閉会挨拶では、UNIDOアルジェリア事務所代表より、現在アルジェリアがより開かれた市場作りを進めていることを踏まえ、UNIDOは投資促進事務所及びアルジェリア政府のパートナー機関として今後も様々な施策の具体化を支援していきたいと述べました。

概要

日 時: 2021年9月28日(火)17:00~18:30(日本時間)
場 所: オンライン
主 催: UNIDO東京事務所、アルジェリア投資促進庁(ANDI)
言 語: 日・仏同時通訳
司 会: 小野崎 慈慶(UNIDO東京事務所)

プログラム

日本時間
17:00-
 開会挨拶
      UNIDO東京事務所 所長 安永 裕幸
17:05- 歓迎挨拶
      駐アルジェリア日本国特命全権大使 河野 章閣下
      駐日アルジェリア民主人民共和国 特命全権大使モハメド・エル・アミン・ベンシェリフ閣下
    
17:15- パネルディスカッション
     モデレーター:UNIDO東京事務所 在アルジェリアアドバイザー リーズ・ケラール
     パネリスト
      アルジェリア投資促進庁(ANDI)投資担当局長 サフィア・クイラ氏
      Sonelgaz[別窓] (アルジェリア国営電力・ガス会社)事務次官 タハール・ジュアンビ氏
      BOMARE COMPANY SARL[別窓] (アルジェリア エレクトロニクス輸出メーカー)
CEO アリ・ブーメディエン氏
      JICAチュニジア事務所 次長 上野 修平氏
      JETROパリ事務所 マグレブ地域担当マネージャー ピエリック・グルニエ氏

18:25 閉会挨拶
     UNIDOアルジェリア事務所 代表 サヤ・ハッシバ氏

お問い合わせ

UNIDO東京事務所(担当:小野﨑)
E-mail: itpo.tokyo@unido.org
※在宅勤務のため、お問い合わせはメールでお願い致します。