UNIDOとトーハツ イラク避難民への職業訓練実施
2017.03.02
日本企業との官民連携を通じて雇用支援
UNIDOとトーハツ株式会社、可搬消防ポンプの操法等訓練を日本で実施
【2017年3月1日 イラク・エルビル】 国連工業開発機関 (UNIDO)は日本政府の補正予算により、2016年4月から「イラクにおける避難民や帰還民を対象とした統合的な安定、経済回復と復興支援 (Integrated stabilization, economic recovery and reconstruction support for displaced persons and returnees in Iraq)」と題したプロジェクトを実施しています。この度、トーハツ株式会社のご協力により、プロジェクトのカウンターパートであるイラクのクルディスタン地域政府労働・社会福祉庁より研修生3名を招き、可搬消防ポンプの操法やメンテナンス方法等についてトレーニングを実施しました。このトレーニングはトーハツ株式会社の多大なご協力により行われたもので、トレーニングにかかる費用を無償でご提供いただきました。
トレーニング対象となった可搬消防ポンプは2気筒水冷エンジンであるVC82ASEと、1気筒空冷エンジンのV20ESの2モデルです。両モデル共、トレーニングでは分解・再組立が行われ、研修生たちはそのオペレーションについて学びました。またオペレーションだけではなく、イラクへ帰国後も修理・メンテナンスを適切に実施できるよう、トレーニングで指導が行われました。
研修の最後には修了証が手渡され、また研修生がイラクのSATにおいて教材を作成できるよう、指導要綱やビデオ、研修でも使用されたオーナーズマニュアル、部品カタログ、そしてサービスマニュアルも手渡されました。今回の研修で学んだ内容を活かし、研修生たちは小型エンジンや可搬消防ポンプの修理に係るトレーニング教材を作成し、実際にSATで指導して行くことが期待されます。研修生たちにこのような学びの場を与えて下さったトーハツ株式会社に、この場をお借りしてUNIDOから感謝をお伝えしたいと思います。
クルディスタン地域政府労働・社会福祉庁からのメッセージ:
UNIDOとクルディスタン地域政府労働・社会福祉庁が協力し、イラクにおいて職業訓練プロジェクトを開始して以来、若年層を対象とした、数多くの質の高いトレーニングが実施されてきました。日本政府により資金が提供された今回のプロジェクトにおいては、新しいワークショップが開催されています。日本で実施されたトーハツ株式会社によるトレーニングのお蔭で、当庁から派遣された研修生は非常に貴重な経験を積むことができました。今後も、日本政府、トーハツ株式会社、そしてクルディスタン地域政府労働・社会福祉庁との間で協力体制がより深まっていくことを期待しています。(クルディスタン地域政府労働・社会福祉庁 局長 Dr. Arif Hito)
在イラク日本国大使館からのメッセージ:
国連工業開発機関(UNIDO)と日本企業トーハツ株式会社の協力により、クルディスタン地域政府職員の能力向上のトレーニングが実現したことを高く評価します。3名の研修生が、今回のトレーニングで得た知見を活用し、避難民や帰還民、ホストコミュニティの雇用促進に貢献されることを強く期待します。今後とも、日本は、イラクのランニングパートナーとして、イラク政府及びイラク国民が危機を乗り越え、平和と安定をもたらすためにイラクを支援してまいります。(駐イラク日本国特命全権大使 岩井文男)
トーハツ株式会社からのメッセージ:
この度、弊社ではイラクのクルディスタン地域政府労働・社会福祉庁よりイラク研修生3名をお迎えし、可搬消防ポンプの分解、組み立てをはじめ、放水、中継送水やメンテナンス方法等、幅広い内容でトレーニングを実施させて頂きました。イラクの統合的な安定、経済回復と復興支援に向け、弊社でのトレーニングがお役に立て、大変光栄に存じます。「国際的な視野で社会に貢献する」と言う企業理念の下、弊社は世界各国で事業展開を行っております。今後も国連工業開発機関(UNIDO)の活動を引続き支援させて頂く所存でございます。(トーハツ株式会社 代表取締役社長 日向勇美)
ご質問・お問い合わせは下記までご連絡ください。
UNIDO工業開発官
Stavros PAPASTAVROU
S.Papastavrou@unido.org