南アフリカ:STePPアフリカ産業職業訓練プログラム
南アフリカ
持続可能な配水を可能にするポンプ(株式会社荏原製作所)
背景
生活用水、工業用水、農業用水、発電用水など、安定的かつ安全な水供給の実現は、国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)の中で6番に位置付けられており、持続可能な社会の実現において必要不可欠です。その中で、南アフリカ共和国を含む開発途上国では、「安全な水へのアクセス」が喫緊の課題となっています。特に急速に人口が増加し、経済や産業が著しく成長し、気候変動の影響に対して脆弱性を持つアフリカ大陸では、いまだに4億人以上が飲料水をアクセスできず、8億人以上が基本的な手洗い設備を利用できないなど 、需要に対する基本設備の整備が追いついていません。また、水供給システムが整備された後も、水を運ぶポンプは、用途や目的などユーザーのニーズに合わせて選定をする必要があります。選定を誤ると故障などにより安定的な水の供給が出来なくなることや、過大な電力消費で環境負荷が高くなることが懸念されます。また、安定的なポンプの運転には、メンテナンスの技術やノウハウも重要となります。
プロジェクトの概要
UNIDO東京事務所は本プロジェクトにて、株式会社荏原製作所と協力し、持続可能な配水を可能にするポンプに関する研修を実施します。株式会社荏原製作所は長期ビジョン「E-Vision2030」のありたい姿の一つとして「世界で6億人に水を届ける」ことを掲げています。今回のプロジェクトでは、拠点のある南アフリカからの研修生に対し、ポンプ技術や販売・普及に関する専門知識(ポンプの選定、見積もり、顧客サポート技術など)を2週間の研修プログラムを通して提供します。(ToT:Training of Trainers)。日本国内での研修プログラム後、研修生は現地指導員として、習得した知識を母国の産業人材に普及します。本プログラムを通して、南アフリカのポンプ技術や販売、サービス、メンテナンス業界において、100人を超える現地技術者・営業担当者の能力開発を支援します。
本プログラムの研修を通じて、現地営業担当者のポンプ製品の理解度を深め、適切なポンプ選定能力を向上し、南アフリカにおける高品質かつ高効率のポンプの普及を推進することを目指します。これにより、南アフリカにおける不適切に選定されるポンプや運転停止時間の削減に貢献し、同国における安定かつ安全な水の供給の実現を支援します。また、ポンプ技術に関する高度な知識は、灌漑やインフラ整備などの多様な場面でも有用となり、持続可能な開発に広く役立ちます。さらに、高効率のポンプ製品の選定・使用は電力消費量削減にも繋がり、地球温暖化・気候変動対策にも貢献します。
プロジェクトの詳細
都市、国 | 南アフリカ |
プロジェクトパートナー | 株式会社荏原製作所 EBARA PUMPS SOUTH AFRICA (PTY) LTD. |
会社概要
社名 | 株式会社荏原製作所 |
ホームページ | https://www.ebara.co.jp/index.html |
住所 | 〒144-8510 東京都大田区羽田旭町11‐1 |
資本金 | 798億円 |
担当者 | 川西 電話番号: 070-2471-3830 E-mail:std.pumps@ebara.com |
事業内容 | ポンプ、冷熱機械、送風機、コンプレッサ・タービン、(CMP装置やドライ真空ポンプなど)半導体製造装置・機器などの製造、販売、サービス。都市ごみ焼却プラント、産業廃棄物焼却プラントなどの設計・建設・運営管理 |
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