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UNIDOと日本、アフリカと共に歩む長年のパートナーシップを記念し特別イベントを開催

UNIDOと日本、アフリカと共に歩む長年のパートナーシップを記念し特別イベントを開催

2025年3月17〜21日、ウィーン国際センターにおいて、在ウィーン国際機関日本政府代表部と国連工業開発機関(UNIDO)が共催で「UNIDO–Japan Partnership for Africa」を開催しました。本イベントは2025年8月に横浜で開催される第9回アフリカ開発会議(TICAD 9)へ向けたプレイベントとして位置づけられ、日本とUNIDOによるアフリカ支援の成果を、1週間にわたるパネル展示とテーマ別セミナーで紹介しました。​

2025年3月17日、ロタンダで開催された開会式では、ゲルト・ミュラーUNIDO事務局長(ビデオメッセージ)と共催者である海部篤特命全権大使が挨拶を述べました。さらに、ブルキナファソのマイムナタ・ワタラ大使(ウィーン駐在アフリカン・グループ議長)、UNIDOの安永裕幸事務局次長兼専務理事も祝辞を述べました。式典では、マイ・ハート・ストリング・カルテット広島による弦楽四重奏が披露され、華やかさを添えました。

ミュラー事務局長はビデオメッセージで、UNIDOと日本の強固なパートナーシップを強調し、「UNIDOと日本は、貧困と飢餓の撲滅、気候変動への対策、循環型経済の推進に共に取り組んでいます。私たちは世界各地で雇用と生計手段を創出し、人々に未来への展望を提供しています。」と述べました。

海部大使は、今年8月に横浜で開催されるTICAD9サミットに触れ、「今週のイベントがアフリカ向けの革新的な解決策を探る場となり、TICADプロセスを前進させる重要なマイルストーンになることを期待します」と語りました。

ワタラ大使は、UNIDOと日本の協力がアフリカで包摂的かつ持続可能な産業開発を促進するうえで「変革的な役割を果たしてきた」と述べ、経済成長や雇用創出、持続可能な慣行の導入を通じてアフリカの産業と地域社会を力づけてきた点を強調しました。

安永事務局次長は、アフリカの産業開発支援に対するUNIDOの継続的なコミットメントを改めて示すとともに、日本の多大な財政支援に謝意を表しました。

開会式では、エチオピア、ナイジェリア、スーダン、タンザニア連合共和国、および地域横断プロジェクト(対象国:エジプト、ケニア、モロッコ、ナイジェリア、セネガル、南アフリカ、タンザニア連合共和国、ザンビア)への新規資金提供プロジェクトが発表されました。式典後には、参加者間の交流を目的としたレセプションも開催されました。

セッション概要

セッション1:ITPO東京の取り組み
UNIDO東京投資・技術移転促進事務所(ITPO東京)の足立文緒所長が、アフリカ向けセミナー・イベント、デレゲート・プログラム、アフリカビジネス・アドバイザー・プログラム、サステナブル技術普及プラットフォーム「STePP」など、ITPO東京の主な活動と成果を紹介しました。

セッション2:プラスチック循環経済
日本とアフリカにおけるプラスチック循環経済の現状と課題を取り上げ、アフリカ7か国(エジプト、ケニア、モロッコ、ナイジェリア、セネガル、南アフリカ、タンザニア連合共和国)の政府代表が、循環型経済アプローチによるプラスチック汚染対策について議論しました。人口増加と都市化で拡大するプラスチック需要に対し、持続可能な廃棄物管理ソリューションがいかに貢献し得るかが強調されました。

セッション3:データ駆動型生産性向上
UNIDOの「U-SPARK(UNIDO Smart Performance Analysis for Real-time Knowledge)」を活用し、ガーナ食品加工部門で企業業績管理を強化した成功事例が紹介されました。UNIDOは現在、アフリカ連合開発庁(AUDA-NEPAD)と連携し、この取り組みを大陸全体へ拡大しています。

パネル展示

会期中は、エジプト、エチオピア、ガーナ、ケニア、マダガスカル、モロッコ、ナイジェリア、シエラレオネ、ソマリア、南スーダン、南アフリカ、ウガンダ、タンザニア連合共和国、ザンビアにおけるUNIDOと日本の協力成果がパネルで紹介され、ITPO東京の活動も併せて展示されました。

本イベントを通じ、UNIDOと日本はアフリカの産業開発を推進するという共通のコミットメントを改めて確認しました。

お問い合わせ

UNIDO東京事務所 EventTokyo@unido.org

UNIDO本部記事:https://www.unido.org/news/unido-japan-africa-partnership-event-2025