1年間にわたる「在日ウクライナ人女性と若者のためのアントレプレナーシップ開発トレーニングプログラム 」の最終イベントとして開催されたこのピッチ・チャレンジは、2025年3月14日に国際文化会館で行われました。司会は国際連合工業開発機関・ソウル投資・技術移転促進事務所の李惠英氏が務めました。
イベントは国際連合工業開発機関・東京投資・技術移転促進事務所のフェルダ・ゲレゲン次長によって開会され、プロジェクトが達成したマイルストーンを発表しました。
「75名の研修生が起業家養成コースを修了し、35名の研修生が起業に向けたカウンセリングを受け、16名の研修生が日本企業との実践的な研修プログラムに参加しました。」
続いて、在日ウクライナ大使館のユーリイ・タラシュック 一等書記官が、日本がウクライナ国民に与えてくれたパートナーシップと支援に感謝の意を表明し、日本とウクライナが共有する共通の目標を強調しました。
「経済協力や文化・人道的協力を発展させるためのアイデアや知識、意見を共有できるこの非常に重要なプログラムを提供してくださった日本政府に感謝します。」
この日のハイライトであるピッチングセッションでは、青山ビジネススクールの廣瀬雄大准教授を審査委員長とする著名な審査員の前で、選ばれたウクライナ人7名のプレゼンター がそれぞれのアイデアを発表しました。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
プレゼンターたちは、ビジネス、法律、IT教育、料理、旅行、小売業におけるAI、文化、マーケティングなど、さまざまな分野において革新的なアイデアをピッチングしました。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
審査員が受賞者について審議している間、会場ではゲストトークが行われました。2025年2月に新設された在日ウクライナ商工会議所(UCCJ)の理事であるヤンナ・ドゥブニコヴァ氏は、UNIDO バーレーン投資・技術移転促進事務所のビジネス・アソシエイトであるイサ・アワチ氏との活発な意見交換をいました。司会はUNIDO ITPO東京の田中・天田裕子氏が務めた。UNIDOバーレーン事務所が主催する2025年UNIDOグローバル・コールや、商工会議所の活動など、それぞれのプロジェクトについて紹介しました。プレゼンテーションの模様は、記事下部よりご覧いただけます。
審査員による慎重な審議の後、会場にて授賞式が行われました。授賞式は、第2位受賞者の発表から始まりました。IT教育をテーマとしたユリア・ベルナツカ氏と、ウクライナ・カフェのコミュニティ構築をテーマとしたナタリア・リセンコ氏の2名が第2位を受賞しました。第1位受賞者の発表に先立ち、UNIDO バーレーン事務所所長のハシム・フセイン氏は、受賞者一人一人が称賛されることを強調し、第2位や第3位の受賞者が第1位受賞者よりも先に事業を立ち上げ、成功を収めることも少なくないと述べました。
「昨年6月と9月に皆さんとご一緒して、ここにいる皆さんはとても良いピッチングをされたと思います。」
「私たちは投資促進と技術移転促進を専門としているので、皆さんのプロジェクトをより良いものにし、投資につなげるために、これからも一緒に頑張っていきたいと思います。」
続いて第1位は、アルテム・イヴァンツォヴ氏のAI小売アシスタントのスタートアップアイデアが受賞しました。
イヴァンツォヴ氏の受賞理由には、彼のプロジェクトが人工知能の開発とイノベーションに関連していること、また、あらゆる規模の店舗や小売店の市場における問題、例えばブラックフライデーやクリスマスのような大型連休中の人手不足とアシスタントの不足を解決するものであることが説明され、審査員の共感を呼んだことが挙げられます。会場では審査員とオーディエンスの前でプロトタイプを使ったことも評価されました。
![]() |
![]() |
ハシム・フセイン氏はこの機会に、受賞者だけでなく他の参加者にも、ゲストトークの中でも紹介された2025年UNIDOグローバル・コールへの参加を呼びかけました。
第1位受賞者に続き、第3位受賞者にも賞が授与され、審査員からビジネスアイデアに対するポジティブなフィードバックが送られました。
また、6月と9月のトレーニングでトレーナーの一人として素晴らしいサポートをしてくださっただけでなく、ピッチング本番に向けてコーチ役を引き受けてくださったパトリック・ニューウェル氏(大学院大学至善館 )にも特別な謝辞が贈られました。ニューウェル氏のサポートは主に、インパクトのある有意義なプレゼンの仕方や、会場の審査員やオーディエンスに自分の考えを伝えるテクニックについてのアドバイスでした。
授賞式終了後、経済産業省 技術・人材協力室長の下川徹也氏が受賞者に祝辞を述べるとともに、本イベントの開催に協力したUNIDO 東京事務所、UNIDO バーレーン事務所の両チームと審査員に感謝の意を表しました。
「このような短い研修期間にもかかわらず、皆さんが質の高いビジネスプランを作成されたことに感銘を受けました。」
下川氏はまた、ウクライナの復興に焦点を当てたUNIDOの別のプロジェクトに注目し、そのプロジェクトと、6月と9月に行われた起業家能力開発研修プログラムのセッションに参加した75名の研修生との相乗効果を願いました。
「現在の状況は依然として厳しいが、経済産業省はこれらのプロジェクトを通じて、ビジネスの形成を通じてウクライナの人々に貢献できることを願っている。」
セッションはハシム・フセイン氏によって締めくくられました。このイベントは、国連システムが主導するイニシアチブのひとつでもある、紛争後の持続可能性と女性と若者のエンパワーメントに焦点を当てていることから、このパートナーシップの重要性を強調しました。
「ウクライナの人々は、非常にプロフェッショナルで、献身的で、良いアイデアを持っています。今日、審査員全員が彼らのアイデアに感銘を受け、受賞者を選ぶのにかなり苦労しました。」
閉会の挨拶の後、参加者全員によるネットワーキング・レセプションが開催され、活発な交流が行われました。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
関連記事
イベントレポート:「在日ウクライナ人女性と若者のためのアントレプレナーシップ開発トレーニングプログラム(第1回)」 |
イベントレポート:「在日ウクライナ人女性と若者のためのアントレプレナーシップ開発トレーニングプログラム(第2回)」 |
参考資料