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グローバルな結束はSDGsの修復と達成の鍵 ※録画映像視聴可能

グローバルな結束はSDGsの修復と達成の鍵 ※録画映像視聴可能

2020.11.18

                       

ウィーン 20201022新型コロナウイルス感染症の蔓延により、持続可能な開発目標(SDGs)の進展が一時停滞しています。多くの課題が発生している状況ではありますが、それと同時に、より良い社会構築の機会が生まれる契機ととらえることが出来ます。これに関連し、SDG 9「産業と技術革新の基盤をつくろう」の中核である、「包摂的かつ持続可能な産業化の促進」は、この危機を克服し、経済発展が軌道に戻る上で重要な役割を果たすとして期待されています。

新型コロナウイルス収束後SDGsを達成する為には、あらゆる社会層向けに構造改革促進等の積極的な取り組みを含む、包括的なアプローチが必要とされています。これに関連して、国連工業開発機関(UNIDO)と持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)は、共同でオンラインイベントを開催し、今回の新型コロナウイルス蔓延がSDGs(特に SDG 9)および2030アジェンダにどのような影響を与えているのか議論を交わしました。

UNIDOの李勇(リー・ヨン)事務局長は開会の挨拶にて、2030アジェンダがどのように回復へのロードマップであり続けるべきかを強調したほか、より持続可能な産業の未来に向けたSDG 9の重要性と、UNIDOIndustrial Analytics PlatformSDSNの新しいデータプラットフォームである SDGs Todayを含む信頼性の高い統計及びデータの必要性に触れました。李氏は、「新型コロナウイルスが国際経済に与える破壊的な影響を利用して、2030アジェンダを推進する為の協調的解決策を模索しなければいけない」と述べました。

ウィーンの国連常駐代表であるゲルハルト・クンツル氏は、「今後10年間で行動を起こし、開発課題においてエビデンスに基づく政策立案の主流化を目指す必要があることは明白である」と述べています。

SDSNの代表であるジェフリー・サックス氏は、国際的連携の必要性について強調し、新型コロナウイルス蔓延下でもSDGsを達成するため、Six Transformation Pathwaysに対して世界がどう向き合うべきか協調しました。サックス氏は、教育、ジェンダー、不平等に対応する変革と、持続可能な開発のためのデジタル革命に関連する変革の必要性を特に強調しました。

「教育なしでは子どもは未来を持つことが出来ない」とサックス氏は述べたうえで、子ども向け無料デジタル教育ツールへのアクセス確保には、適切な国際的連携が必要不可欠であると指摘しました。

最後に、サックスは脱炭素産業の必要性を強調し、「再生可能エネルギーは私たちのテーマであり、私たちはゼロに到達しなければいけない」と述べました。

農業から製造業へと産業革命を遂げたエチオピアの首相特別顧問であるアルケベ・オクベイ氏は、SDGsを達成するためにエチオピアが学んだ教訓を紹介しました。 オクベイ氏は、①リーダーシップと政策立案は、新しい環境で再定義される必要がある、 ②低環境負荷かつカーボンニュートラルな工業化の取り組みは不可欠である、③スマートテクノロジーによって低環境負荷産業の幅広い応用・利用が実現する、という以上の3点を強調しました。

さらにオクベイ氏は、国際的連携こそが世界に蔓延する脅威を回避し、機会を最大化するための基盤になっていると述べました。

 SDG Ambition UNGCの共同創設者であるアン・ローゼンバーグ氏は、民間セクターの視点を提供し、すべての企業が生産ラインと産業を再定義する必要があるというオクベイ氏の洞察を繰り返しました。彼女は、「中小企業や起業家が事業を行うにあたって、新しく、かつ再定義された方法を考え出すことを大企業は期待しており、全員に共同責任がある」と述べました。

ローゼンバーグ氏は、すべての企業が産業を通してSDGsを達成するために、どう協力し、テクノロジーにアクセスするか解を出すのかは国々に委ねられていると述べました。さらに、ローゼンバーグ氏は、私たちが今どこにいるのか現在地を把握するツールの必要性を強調し、そのツールによってSDGsを達成するため理想とのギャップを埋める方法を知ることが出来ると述べました。

UNIDO・国連・ジュネーブに所在する他の国際機関のザンビア常駐代表であるマーサ・ルング・ムウィトゥムワ大使は、SDGsの達成に向けてより集中的な取り組みが必要であると述べました。 「我々が直面している危機により、SDG 目標9を達成することは、後発開発途上国およびその他の低所得国にとってはより難しい問題となるでしょう。この行動の10年“において、私たちはジュネーブの大使として、産業と革新の重要性を主張し、より多くの資源を活用し、また貿易、投資、技術を活用するためのパートナーシップを促進する上で重要な役割を担っています。そして、主要な国連機関に対する我が国の代表として、私たちはこれらの問題においてより包括的な国連の一貫性を育むことができます。」 とムウィトゥムワ大使は述べました。

すべてのパネリストが、新型コロナウイルスからの回復を通じて世界をリードするためには、国際的団結が不可欠であることに明確に同意しました。そのうえで、新型コロナウイルス収束後には、3つの主要なイニシアチブ(平等な教育機会の構築、持続可能な産業化促進、ネットゼロエミッションの達成)に焦点を当てながら、どのように新しいデジタル世界を受け入れるべきか強調しました。

 Youtubeでこの議論の録画を視聴することが出来ます。

詳細については、以下にお問い合わせください。

Adnan Seric
Industrial Policy Officer, Research and Industrial Policy Advice Division, UNIDO
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