ケニア:STePP技術実証プロジェクト
ケニア
ケニアでは3つのプロジェクトが実施されました。
背景
医療廃棄物の不適切な分別や廃棄は、コロナウイルスも含めて、潜在的な感染源となります。世界銀行とケニア保健省が合同で実施した調査によると、都市部の医療施設では17%、農村部ではその2倍以上の割合が廃棄物を正しく処理していませんでした。医療廃棄物を処理する最も安全な方法は、医療施設内で焼却することです。しかし、ケニアで焼却炉がある医療施設は半分以下の割合です。特に大規模な病院や診療所において、焼却炉を設置し、廃棄物の適切な取り扱いと分別について医療従事者を訓練することが急務とされています。
プロジェクトの概要
緊急のニーズに応えるため、UNIDOはナイロビメトロポリタンサービス(NMS)および株式会社キンセイ産業と協力して、ナイロビのムツイニ病院で廃棄物管理プロジェクトを実施しました。このプロジェクトでは、 1日あたり500kgの処理能力を持つ、医療廃棄物用の小規模ガス化焼却システムを設置しました。この装置は、病院から処分される有害物質を解毒することができ、それによって医療従事者と廃棄物処理業者を二次感染のリスクから守ることができます。このような無煙の焼却炉がケニアで使用されたのは初めてであり、設置した地方自治体は、焼却炉の排気ガスから煙や大気汚染物質が検出されなかったことを証明しました。
プロジェクトの詳細
都市、国 |
ナイロビ、ケニア |
プロジェクトパートナー |
|
主な成果 |
|
会社概要
社名 | 株式会社キンセイ産業 |
ホームページ | https://kinsei-s.co.jp |
住所 | 〒370-1203 群馬県高崎市矢中町788 |
資本金 | 5000万円 |
担当者 | 金子啓一 電話番号: 027-346-2161 E-mail: kinsei@kinsei-s.co.jp |
事業内容 | 産業廃棄物焼却プラントメーカー |
ストーリー
”焼却炉を設置する前は、医療廃棄物をまとめて別の病院に持ち込んで処分しており、集めている段階で悪臭が発生していました。今回設置された焼却炉は、我々の廃棄物に対する意識を大きく変えました。以前に比べて廃棄物の分別が進んでいます。”
ジョセフィン・ングリ、医療監督/臨床薬剤師、ムツイニ病院
背景
コロナウイルスの蔓延により、世間では消毒の重要性に関する意識が高まりました。一方で、毎日の化学消毒は、医療従事者の時間とコストの観点から、病院にとって大きな負担となっています。光触媒コーティング技術は、部屋の光に反応する壁面に抗菌効果を生み出します。さらには、抗菌コーティングよって医療スタッフの二次感染を防ぎ、より安全な作業環境を提供することができます。
プロジェクトの概要
UNIDOは、3か国(インド、ケニア、モンゴル)の合計8つの病院に光触媒コーティングを施し、病原性微生物除去の有効性をテストしました。このプロジェクトでは、コーティング技術に関するトレーニングを提供するだけでなく、病院における一般的な衛生慣行に関する医療従事者の知識を高めるのに役立ちました。それぞれの国でサンプルが研究所に送られ、コーティングが微生物の除去に効果的であることが証明されました。コーティングは、医療従事者が消毒に費やす時間を短縮することに成功しました。
プロジェクトの詳細
都市、国 |
ナイロビとキアンブ、ケニア |
プロジェクトパートナー |
|
主な成果 |
|
会社概要
社名 | 丸昌産業株式会社 |
ホームページ | https://marusyosangyo.jp |
住所 | 〒327-0031 栃木県佐野市田島町171 |
資本金 | 1000万円 |
担当者 | 吉川貴之 電話番号: 0283-22-1901 E-mail: yoshikawa@marusyosangyo.jp |
事業内容 | 繊維工業および化学製品製造業 |
ストーリー
”光触媒コーティングを施す前は、当院では衛生上の問題がありました。このコーティングにより、従業員への感染リスクを最小限に抑えることができました。今では安心して働くことができます。”
生物医学エンジニア、ジュムイア病院フルマ
背景
COVID-19パンデミックは世界中の人々に影響を及ぼし、何百万人もの死者を出しています。特に開発途上国の農村コミュニティは、適切な医療施設を提供する上で多くの課題に直面しています。例えば、ケニアの集中治療室(ICU)にあるベッド数の約4分の3は、ナイロビとモンバサの2つの最大都市に集中しています。しかし、新しいコロナウイルスは、公衆衛生システムが貧弱な地方にも広がっています。専門家は、ケニアの農村部における不十分な検査体制のために、実際の感染者数は報告よりもはるかに多いと指摘しています。遠隔地の公衆衛生システムへのアクセスを改善すること、特にPCR検査を実施することが急務です。
プロジェクトの概要
このプロジェクトの技術は、電力の供給が不安定な地域において、遠隔でPCRテストを実施するための安全な方法を提供することができます。設計のコンセプトは「移動式PCR検査ラボ」で、太陽光発電モジュール、バッテリーユニット、サンプル収集、サンプル保管、輸送機能を、標準車両で牽引できるトレーラータイプのシステムに統合しました。検査官が被験者からサンプルを収集した後、サンプルは保管ボックスに入れられ、その後、地元のPCRテスト施設に移されます。トレーラー内の通路は、検査官と被験者を完全に分離することができ、車両内の空気は、空中感染を防ぐために負圧にすることできれいに保たれます。このプロジェクトでは、移動式システムを利用して、マチャコス郡の2つの実験場所で1日あたり少なくとも100回のPCRテストを実施する予定です。
プロジェクトの詳細
都市、国 |
マチャコス、ケニア |
プロジェクトパートナー |
|
主な成果 |
|
会社概要
社名 | TSP太陽株式会社 |
ホームページ | https://www.tsp-taiyo.co.jp |
住所 | 〒153-0043 東京都目黒区東山1-17-16 |
資本金 | 1億円 |
担当者 | 西隆之 電話番号: 03-3719-3357 E-mail: nishi@tsp-taiyo.co.jp |
事業内容 | 各種イベントの企画制作、会場の設計施工、運営管理、関連設備のレンタル他 |
ストーリー
”1つの移動式検査システムでは、COVID-19 のPCR検査を受ける患者と医療スタッフ完全に隔離することができるため、医療スタッフ感染のリスクから守ることができます。この検査システムが導入されて以来、医療スタッフの間でのコロナウイルス感染は発生していません。”
ステファン・ムティソ、医療スタッフ、マチャコス照会病院
TSP太陽様は2024年3月をもってSTePPの登録を停止しました。
関連リンク